社内データを、そのまま戦力にする

社内にある答えを、
AIが探して下書きする。

汎用のAIは、御社の価格も、過去の言い回しも、断り方のルールも知りません。RAG(検索拡張生成)は、社内にすでにあるメール・見積・価格表・マニュアルをAIに参照させる技術です。「もっともらしい嘘」ではなく、自社の実際の資料に基づいた答えを返します。

受信8万通規模の履歴取り込み実績価格表・過去見積まで参照根拠になった資料を明示使うほど自社の言い方に近づく
過去のメールを学習した返信支援ツールの画面

生成AIを試してみたものの、「一般論しか返ってこない」「金額を聞くと平気で間違える」——そこで止まってしまった会社は多いはずです。原因ははっきりしていて、AIが御社のことを何も知らないからです。

RAG(Retrieval-Augmented Generation/検索拡張生成)は、質問が来たときにまず社内の資料を検索し、見つかった資料を根拠としてAIに答えを作らせる仕組みです。AIの記憶に頼らないので、価格や条件を勝手に作り出しません。資料を更新すれば、その日から回答も変わります。

TIFFINでは実際に、キャンピングカーの問い合わせ対応向けにRAGを構築し稼働させています。Mail.appに蓄積された受信80,610通・送信5,198通を取り込み、そこから「問い合わせ→返信」の対応ペアを581件抽出。さらに正式な価格表(車両249台・オプション200件)と過去の実見積325件を参照させ、問い合わせに出てきた車種やオプションについては正確な金額と、実際の成約構成に近い総額の目安まで答えられるようにしました。原価と粗利は、お客様にお出しする性質のものではないため意図的に取り込んでいません。

社内に散らばった資料を、AIが根拠つきで探す
社内に散らばった資料を、AIが根拠つきで探す

ISSUES

生成AIを試して止まった理由

どれもRAGで解けます。逆に、RAGなしで解こうとすると必ずここで止まります。

金額や仕様を平気で間違える

AIが記憶から答えるため、実在しない価格やオプション名が出てくる。お客様に出せる文章にならない。

言い回しが自社と違う

文章としては正しいが、うちの会社はこういう言い方をしない。結局、全部書き直すことになる。

社内の資料が探せない

答えはどこかのフォルダにあるはずだが、誰も見つけられない。結局ベテランに聞きに行く。

新人が同じ質問に答えられない

過去にどう答えたかが個人のメールボックスの中にあり、共有されていない。属人化したまま。

社外SaaSに社内文書を出せない

顧客情報や価格が含まれるため、外部サービスにアップロードする判断ができない。

導入したが誰も使わない

検索窓を置いただけで、既存の業務の流れに組み込まれていない。使う手間のほうが大きい。

SERVICE

RAGでできること

「社内の文書を探す」だけでなく、業務の中に組み込むところまで設計します。

01問い合わせ返信の下書き

届いたメールやLINEの本文を貼るだけで、過去の似た対応を探し、自社の言い回しで返信案を作ります。

  • 返信案を3つ並べて提示
  • 担当者名を選んで署名まで自動
  • メールとLINEで文体を切替
  • そのまま編集して送信・印刷
02価格・条件の正確な回答

正式な価格表と過去の実見積を参照するため、金額を含む回答ができます。

  • 車種・型番・オプションの単価を参照
  • 実際の成約構成から総額の目安を提示
  • 社外に出さない項目は取り込まない
  • 価格改定は表を差し替えるだけ
03社内ナレッジ検索

マニュアル、議事録、仕様書、過去案件の資料を横断して検索し、要点をまとめて返します。

  • フォルダをまたいだ横断検索
  • 出典(どの資料の何ページか)を提示
  • 権限に応じて見える範囲を制御
  • PDF・Word・Excelに対応
04FAQの自動生成と整備

過去の往復メールをAIが1件ずつ解析し、実際に聞かれている質問をFAQとして自動抽出します。

  • 実際の問い合わせから作るFAQ
  • カテゴリ別の回答方針を抽出
  • Webサイト用FAQへの書き出し
  • 更新のたびに再生成
05傾向分析

問い合わせがどのカテゴリに偏っているか、どんな聞かれ方をしているかを可視化します。

  • カテゴリ別の件数と割合
  • 時期による傾向の変化
  • 返信方針の自動抽出
  • 商品改善・サイト改善への反映
06社内向けアシスタント

チャットツールの中から社内資料に質問できるようにします。既存の業務の流れの中に置くことが重要です。

  • 社内チャットへの組み込み
  • 業務システムの画面内から質問
  • 回答の根拠を必ず表示
  • 答えられない場合は正直に返す

ENGINEERING

開発の中身 — 精度は前処理で決まる

RAGの品質は、モデル選びより「何をどう取り込むか」で決まります。ここに手間をかけます。

社内にすでにある資料 過去のメール往復(受信・送信) 正式な価格表・仕様書 過去の実見積・契約条件 社内マニュアル・議事録 FAQ・お客様への説明文 前処理(取り込み) 往復ペアの抽出・正規化カテゴリ分類・索引作成 検索(Retrieval) 似た問い合わせを引く該当する価格・条件を引く 生成(Generation) 自社の言い回しで下書き3案を並べて提示根拠になった資料を明示 人が確認 修正送信→蓄積 送信した文面が次の知識になる(使うほど自社の言い方に近づく)
社内資料を取り込み、質問のたびに検索して根拠を渡す。人が確認して送った文面が、また知識として戻ります。

実装で押さえていること

  1. 「往復」を単位に取り込む

    メールを1通ずつ入れても役に立ちません。「お客様からの問い合わせ」と「それに対する自社の返信」をペアとして抽出して初めて、AIは自社の答え方を学べます。実案件では受信8万通・送信5千通から、自社ドメインの送信分を基準に対応ペア581件を機械的に抽出しました。引用符・署名・定型文の除去もここで行います。

  2. 正しい数字は、文章ではなく表から引く

    金額をメール本文から学習させると、値引き後の特殊な価格まで一般化してしまいます。価格は必ず正式な価格表(CSV)から引き、文章からは学習させません。実装では車両249台・オプション200件の価格表と、過去の実見積325件を別データとして持たせ、回答時に照合しています。

  3. 出してはいけない情報を構造的に除外する

    原価・粗利・仕入先・社内メモなど、お客様に出してはいけない項目は、そもそも取り込みの段階で除外します。「プロンプトで禁止する」のではなく、データとして持たない。これが最も確実な情報漏えい対策です。

  4. カテゴリごとの回答方針を抽出しておく

    過去のやり取りをAIに解析させ、「納期を聞かれたときはどう答えているか」「値引きを求められたときの断り方」といったカテゴリ別の方針をあらかじめ抽出しておきます。毎回ゼロから探すより速く、答え方も安定します。

  5. 3案を出して、人が選ぶ

    1案だけ出すと、人はそれを直すことに引っ張られます。丁寧な案・簡潔な案・条件を確認する案のように複数を並べ、選んで直してもらう形にすると、修正時間が目に見えて短くなります。送信ボタンは最後まで人が押します。

  6. 送った文面を次の知識にする

    人が修正して実際に送った文面こそ、いちばん正しい教師データです。送信内容を知識ベースに戻す仕組みを入れておくと、使うほど自社の言い方に近づきます。

  7. コストを最初から設計する

    プロンプトキャッシュの活用、参照文書の絞り込み、モデルの使い分け(下書きは軽いモデル、要約は上位モデル)で、1件あたりの費用を数円〜数十円の水準に抑えます。導入前に月額の見込みをお出しします。

技術スタックと構成

言語モデルAnthropic Claude(Fable 5/Opus 5 など用途で選定)、OpenAI 系、用途によりローカルLLM(Ollama)。データを社外に出せない場合は自社サーバー内で完結する構成も可能です。
取り込み(Ingest)Mail.app/IMAP からのメール取得、PDF・Word・Excel・CSVのテキスト抽出、往復ペアの抽出、正規化とカテゴリ分類。Python のバッチで構成します。
検索キーワード検索とベクトル検索の併用。件数規模に応じて SQLite / PostgreSQLpgvector)を使い分けます。
アプリPython(Flask系) / Next.js。既存の業務システムの画面内や社内チャットに組み込む形も可能です。
運用知識ベースの再生成バッチ、生成履歴の保存、送信済み文面の再学習、利用状況とコストの可視化。
セキュリティ社内LANのみでの運用、APIキーの分離管理、出力してはいけない項目のデータレベルでの除外、アクセスログの保存。

「まず自社のデータでどこまで精度が出るか見たい」という段階からご相談いただけます。小さく作って実データで測り、効果が出た業務だけ本番化する進め方をおすすめしています。

WORKS

構築したRAGシステム

実際に社内で稼働しているものです。

過去メールを学習した返信支援ツール
問い合わせ対応過去8万通のメールを取り込み、返信案を3つ作るツール

問い合わせ本文を貼り、担当者を選んで押すだけで、過去の似た対応と正式な価格表を参照した返信案が3つ生成されます。メール返信とLINE返信で文体を切り替え、そのまま編集して送信・印刷まで完結。画面上部には取り込み済みの通数と学習ペア数が常時表示されます。

取り込み 受信80,610通/送信5,198通/学習ペア581件
参照 価格表 車両249台・オプション200件/実見積325件
社内チャット上のAIアシスタント
社内ナレッジ社内チャットの中から、社内の資料に質問できるアシスタント

チャットツールにAIアシスタントを常駐させ、チャンネルの議論を要約したり、社内資料から答えを引いたりできるようにしました。ワークスペースごとにデータが分離されているため、他社・他部門の情報が混ざることはありません。

配置 業務の流れの中(チャット内)に置く
分離 テナントごとに検索範囲を完全分離

導入事例の一覧を見る →

FLOW

ご相談から運用開始までの流れ

最初のご相談から納品後の改修まで、同じ担当が一貫して伴走します。

1
何に答えさせたいかを決める

「問い合わせ返信」「社内マニュアル検索」など、対象業務を1つに絞ります。ここを広げすぎると精度が出ません。

2
社内データの棚卸し

どこに何があるか、社外に出せない項目は何かを整理します。データの持ち出し方も含めて設計します。

3
試験的な取り込みと精度確認

実データを取り込み、実際の質問で試します。ここで「使えるかどうか」がはっきり分かります。

4
業務への組み込み

検索窓を作るだけでなく、日々使っている画面や社内チャットの中に組み込みます。

5
運用・再学習

人が修正して送った内容を知識に戻し、精度を上げ続けます。資料の追加もバッチで取り込みます。

6
効果測定

1件あたりの対応時間、修正率、AI利用コストを測り、次にどこへ広げるかを判断します。

PRICE

費用の考え方

データ量と取り込み元の種類で変わります。

検証(PoC)

40万円

実データを使った試験構築と精度評価。「自社データでどこまでできるか」を1〜2か月で確かめます。

業務組み込み

120万円

取り込みバッチ、検索、生成、確認画面までの一式。既存システムや社内チャットへの組み込みを含みます。

全社ナレッジ基盤

個別見積

複数部門の文書を横断し、権限制御と再学習の仕組みまで含む構成。

※ 別途、AIの利用料(従量課金)が月額数千円〜かかります。想定利用量から月額の見込みを事前にお出しします。

FAQ

よくあるご質問

ここに載っていないことも、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

社外にデータを出さずに使えますか?

可能です。社内サーバー内で完結する構成(ローカルLLMの利用)もご提案できます。外部APIを使う場合も、送信する情報の範囲を限定し、原価や個人情報を構造的に除外する設計にします。

どのくらいのデータ量が必要ですか?

対応ペアが数百件あれば、自社の言い回しを反映した回答が作れます。実案件では581件の往復ペアから始めています。マニュアル検索用途であれば、既存のPDFやWord文書がそのまま使えます。

AIが間違った金額を言ってしまわないか心配です

そこがRAGを使う理由です。金額は文章から学習させず、正式な価格表から都度引く設計にします。加えて、根拠として参照した資料を画面に表示し、人が確認してから送る運用にします。

既存のシステムに組み込めますか?

組み込めます。当社は業務システムも自社で開発しているため、既存画面の中に「AIに聞く」を置く形での実装が可能です。社内チャットへの常駐も対応しています。

運用のコストはどのくらいですか?

利用量によりますが、返信下書きのような用途では1件あたり数円〜数十円の水準です。プロンプトキャッシュや参照範囲の絞り込みでコストを抑える設計を標準で行い、月額の見込みを事前にお出しします。

資料が古くなったらどうなりますか?

資料を差し替えて再取り込みすれば、その日から回答が変わります。定期的に自動で再取り込みするバッチを組むことも可能です。

回答できない質問はどうなりますか?

無理に答えさせず「該当する資料が見つかりませんでした」と返す設計にします。これがRAGの重要な利点で、答えられないことを正直に返せるようになります。

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ひとつの案件で複数の領域にまたがる場合も、窓口はひとつのままご相談いただけます。

COMPARE

一般的な生成AIと、社内RAGの違い

同じ「AIに聞く」でも、答えの根拠と守れる範囲が変わります。

比較する項目一般的な生成AI社内RAG(自社データ活用)
回答の根拠学習した一般知識自社の資料を検索して回答
出典の提示示せないことが多い参照した資料名とページを表示
社外秘の扱い入力内容の扱いに注意が必要学習に使われない構成で運用
部署ごとの権限考慮されない閲覧権限を回答にも反映
自社の言い回し一般的な表現になる過去の文面に沿った下書き
答えられない時それらしく答えてしまう分からないと返して人へつなぐ

※ 社内の言葉づかいや価格・条件を含む回答が必要な業務ほど、RAGの効果が出ます。

「うちのデータで、どこまでできますか?」

その質問にお答えするために、まず小さく試すことをおすすめしています。
実データで精度を測ってから、本格導入を判断してください。

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