コールセンターの音声合成による電話案内自動化
自社開発の音声合成サービス「akari voice」をもとに、定型的な電話案内を音声AIで自動化しました。話者の聞き取りやすさと、案内内容の差し替えやすさを両立させています。
課題
- 営業時間・受付内容の案内など、決まった応答にオペレーターの時間が取られている
- 案内内容を変えるたびに録音を取り直す必要があり、反映に時間がかかる
- 繁忙期は電話が繋がらず、機会損失が発生していた
実施したこと
- 自社開発の音声合成をもとに、案内文をテキストで差し替えられる仕組みを構築
- 聞き取りやすさを優先し、読み上げ速度・間の取り方を調整
- 定型の案内はAIが応答し、判断が必要な内容はオペレーターへ引き継ぐ導線を設計
- 通話内容の記録と、案内のバージョン管理に対応
成果
導入前の状況
コールセンター運営企業L様では、営業時間や受付内容の案内といった決まった応答にオペレーターの時間が取られていました。案内内容を変更するたびに録音を取り直す必要があり、反映までに時間がかかります。繁忙期には電話がつながらず、機会損失も発生していました。「定型の案内は自動化し、人にしかできない対応に時間を使う」ことが導入の目的です。
システム構成と技術
- 音声は当社が自社開発した音声合成サービス「akari voice」で生成します。案内文はテキストで管理し、差し替えるだけで新しい音声が反映されます
- 聞き取りやすさを優先し、読み上げ速度と間の取り方を案内文ごとに調整できるようにしました。電話回線の音質でも聞き取りやすいことを重視しています
- 定型の案内はAIが応答し、判断が必要な内容はオペレーターへ引き継ぐ導線を設計しました。引き継ぎの際には、それまでの案内の流れを引き継げるようにしています
- 通話内容の記録と、案内文のバージョン管理に対応。いつ・どの案内文が使われていたかを後から確認できます
音声案内の自動化は、Webやチャットの問い合わせ対応と同じく「答えられる範囲を決め、それ以外は人へ渡す」設計が要です。この考え方はAIチャットボット開発で詳しく紹介しています。既存の電話設備や顧客管理との連携は業務システム開発で対応しています。
開発の進め方
最初に、現在オペレーターが対応している電話の内容を整理し、「定型で答えられるもの」と「判断が必要なもの」を分けました。定型の案内から自動化の対象を選び、案内文をテキストとして整備するところから始めています。
音声については、同じ文章でも読み上げ速度や間の取り方で聞き取りやすさが大きく変わるため、実際の電話回線で聞き比べながら調整しました。数字や固有名詞の読み方は特に注意が必要な箇所で、案内文側の書き方を工夫することで安定させています。
切り替えは一度にすべてを自動化するのではなく、対象の案内を段階的に広げる進め方をとりました。自動応答からオペレーターへの引き継ぎがうまくいかないケースは、通話記録をもとに導線を見直しています。
運用してわかったこと・今後
定型的な案内が自動化され、オペレーターは判断が必要な対応に時間を使えるようになりました。案内内容の変更も、録音を取り直さずテキストの差し替えだけで反映できます。案内文をバージョン管理しているため、変更の履歴が残り、問い合わせがあった際にも当時の案内内容を確認できます。
運用して分かったのは、自動化の範囲を広げすぎないことの大切さです。判断が必要な内容を無理に自動応答にすると、かえって人への引き継ぎが増えます。今後は通話記録の分析から、案内文の改善点や新たに自動化できる内容を見つけていく予定です。