新潟でAI開発を依頼する前に。費用の目安・期間・失敗しない進め方を燕三条の受託開発会社が解説
「AIで何かできないか」というご相談が、この1年で目に見えて増えました。新潟県内の製造業、販売業、士業、自治体。話を聞いていくと、困っていることは具体的なのに、「AI開発」という言葉が大きすぎて、何をいくらで頼めばいいのか分からない、という方がほとんどです。私たちTIFFINは燕市に本社、三条市に営業所を置く受託開発会社で、問い合わせ返答のRAG、クマ検知のAIカメラ、音声合成の店頭端末などを県内の現場で動かしてきました。この記事では、自社の宣伝は最後に少しだけにして、AI開発を依頼する前に知っておくと損をしないことを、費用・期間・進め方の順にお話しします。
この記事でわかること
- 「AI開発」と呼ばれる相談の中身は、実は5種類に分かれること
- 費用の目安(当社の場合)と、その内訳。金額を動かす条件
- 期間の目安と、「できるか・できないか」が決まるタイミング
- 失敗しない試作(PoC)の切り方と、効果の測り方
- 新潟でAI開発会社を選ぶときに見るところ
「AI開発」の相談の中身は5種類ある
ご相談を整理すると、ほぼ次の5つのどれかに当てはまります。どれに当たるかで、必要なデータも費用も、向いている会社も変わります。
| 種類 | よくある相談 | 最初に必要なもの |
|---|---|---|
| 社内文書を検索して答える(RAG) | 規定・マニュアル・過去の見積や回答を探す時間が長い。ベテランしか答えられない | 文書そのもの(PDF・Word・Excel・スキャンでも可)が数十件以上 |
| 文章の下書き生成 | 問い合わせ返信、報告書、商品説明を毎回ゼロから書いている | 過去の返信や文章の実物。判断基準を知っている担当者 |
| AI-OCR(紙・PDFのデータ化) | 注文書・請求書・検査記録を目で見て打ち込んでいる。桁の間違いが起きる | 帳票の実物(様式が揃っていなくてもよい)と、登録先のシステム |
| 画像認識・AIカメラ | 外観検査の目視、侵入や獣害の監視、数のカウント | 現場の写真や動画。カメラと照明を置ける場所と電源 |
| 音声AI | 会議や電話の文字起こし、案内の読み上げ、手が塞がる現場での音声入力 | 実際の録音。専門用語や方言のリスト |
お気づきかもしれませんが、「最初に必要なもの」はすべていま現場にあるものです。AI開発は、新しく何かを作る前に、いまあるデータを集めて整えるところから始まります。ここを軽く見ると、費用も期間も読めなくなります。
費用の目安と内訳(当社の場合)
当社のAI開発サービスの料金に載せている目安をそのまま引用します。他社の相場ではなく、TIFFINが実際にお請けしてきた幅である点はご了承ください。
| 段階 | 内容 | 目安(税別・開発費) |
|---|---|---|
| 試作・実現性の検証 | 1業務に絞った試作と精度検証。実データで「できるかどうか」を見極める | 50万円〜 |
| 本番組み込み | 既存の業務システムやWebへの組み込み、確認画面、権限管理を含む実装 | 150万円〜 |
| 独自AI基盤の構築 | 社内文書全体を対象にしたRAG基盤、複数業務にまたがるAI機能、外部に出さない閉じた環境での構築 | 400万円〜 |
これに加えて、外部のAIサービス(生成AIのAPIなど)を使う場合は従量課金が別途かかります。利用量に応じて月額数千円〜で、問い合わせ返信の下書き程度なら数千円台に収まることが多いです。
内訳で意外に大きいのは「データの整備」
AI開発の見積を項目に分けると、おおよそ次のようになります。
- データの収集・整備——文書の集約、表記ゆれの整理、画像の選別と正解付け。ここが全体の3〜4割を占めることも珍しくありません
- 試作と精度検証——小さく作って実データで試し、どこまでできるかを測る
- 組み込み——結果を人が確認する画面、権限、既存システムとのつなぎ込み
- 運用調整——使われ方を見ながら、プロンプトや判定のしきい値を直す
金額を動かす条件
- データの量と状態。すでに整理されているか、紙のまま倉庫にあるか
- 外部にデータを出せるか。出せない場合は社内や現場の機器の中で処理する構成になり、費用は上がります。ただし、それで初めて社内承認が下りる会社も多いです
- 既存システムに組み込む口があるか。他社製のシステムで連携方法が公開されていないと、迂回策が必要になります
- 間違えたときの影響の大きさ。下書きで止めるなら軽く、自動で外に出すなら確認の仕組みが重くなります
- 対象業務の数。まず1つに絞るのが、費用を抑える最も確実な方法です
期間の目安。「できるか」は最初の2〜3週間で決まる
当社の目安では、試作と精度検証が1〜2か月、既存システムへの本番組み込みが2〜4か月、複数業務にまたがる基盤の構築は半年以上です。
ただ、それより大事なのは、実現できるかどうかは最初のデータ確認でほぼ決まるということです。文書が数十件しかない、写真が暗くて対象が判別できない、録音が方言と雑音だらけ。こうした状態は、開発を始める前に分かります。ですから当社では、ご相談から2〜3週間で「できる・できない・条件付きでできる」をお答えするようにしています。この段階で「向かない」と言われたら、それは費用を節約できたということです。
失敗しない試作(PoC)の切り方
「PoCで止まって本番に進めなかった」という話をよく聞きます。原因の多くは、試作の切り方にあります。私たちが守っている4つのルールです。
1つの業務、1つの帳票に絞る
「社内の問い合わせ全部」ではなく「経理への精算ルールの問い合わせ」。「全帳票のOCR」ではなく「A社の注文書だけ」。狭いほど早く結果が出て、効果も測れます。
全自動にしない。下書きまでで止める
AIが案を作り、人が確認して確定する。この形なら精度が100%でなくても今日から使えます。逆に全自動にすると、1回の誤りで運用が止まります。本番で効果が確認できてから、確認を省く範囲を少しずつ広げます。
答えの根拠を必ず出す
社内文書から答える仕組みなら、どの文書のどこを根拠にしたかを一緒に表示します。利用者が間違いに気づける形にしておくと、精度の議論が「信用できるか」から「どこを直すか」に変わります。
データの置き場所を先に決める
外部のAIサービスに送るのか、社内で処理するのか。これを後回しにすると、試作がうまくいっても本番で社内承認が下りません。最初の打ち合わせで決めます。
効果の測り方。試作の前に、いまその作業に「1件あたり何分、月に何件」かかっているかを測っておいてください。これがないと、AIを入れた後に「なんとなく楽になった」しか言えず、本番投資の判断ができません。件数×分の数字が1つあれば十分です。
新潟でAI開発会社を選ぶときに見るところ
- 現場に来られるか。AIに使えるデータはたいてい現場にあります。帳票の束、カメラを置く場所、録音の環境。写真とZoomだけでは判断を誤ります。燕市・三条市・新潟市周辺に訪問できる会社を候補に入れておくと、最初のデータ確認が速くなります
- 業務システムも作れるか。AIは単体では動きません。データを入れる画面、結果を確認する画面、通知の仕組みが要ります。AIだけの会社に頼むと、組み込みの部分で別の会社が必要になり、窓口が2つになります
- 外部に出さない構成が組めるか。クラウドのAIサービスを呼ぶだけの会社と、社内サーバーや現場の機器で処理する構成まで組める会社では、対応できる案件の幅が違います
- 「向かない」と言ってくれるか。AIが向かない業務は多くあります。既製のパッケージや、単純な自動化で済む話も多い。そこを区別して話してくれる会社は、長い付き合いを前提にしています
- 補助金の進め方を相談できるか。IT導入補助金やものづくり補助金の対象になる場合がありますが、制度は年度ごとに変わります。補助金ありきで要件を膨らませないこと、最新の公募要領を確認することが前提です。補助金の考え方は別の記事にまとめています
県内の実例と、TIFFINの場合
最後に、選択肢のひとつとして当社のことを書いておきます。TIFFINは新潟県燕市に本社、三条市に営業所を置き、業務システム・スマホアプリ・オリジナル基板とあわせてAI開発を受託しています。県内で動いているものをいくつか挙げます。
- 問い合わせ返答AI(RAG)——キャンピングカー販売会社向けに、過去の回答とカタログを検索してメール・LINEの返信案を生成。担当者は選んで直して送るだけ
- クマ検知システム「AIVIS」——画像認識でクマを検知し通知する仕組みを三条市に導入
- 音声合成の店頭端末——契約時の承諾書を音声AIが読み上げ、その場で署名・印刷するiPad端末
- 三条市立大学との産学連携——代表が客員准教授を務め、AI・ものづくり・地域DXの研究と実装で連携
進め方は、まず現場を見せていただき、2〜3週間で「できるか・できないか」をお答えし、できる場合は1業務に絞った試作から始める形です。県内であれば訪問しますし、「うちの業務、AIで減らせますか」という段階で構いません。AIが向かない場合はそう申し上げます。企業向けのAI研修・勉強会から入っていただくこともできます。
「AIで何かできないか」の段階で構いません。いま時間がかかっている作業を教えていただければ、AIが効くか、別の手段が早いかを率直にお答えします。
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