回路/基板/筐体/ファームウェア/クラウド

欲しい装置が世の中にないなら、
基板から作ります。

回路設計、プリント基板のアートワーク、筐体、ファームウェア、そしてデータを見るクラウドまで。分けて発注すると噛み合わない部分を、同じチームが一体で設計します。1台のオーダーメイドから、小ロット量産(ODM/OEM)まで。

回路・基板・筐体・FWを一体設計LoRa/LTE/低消費電力の実装KiCad・BOM/CPLまで納品物に農業IoT・防犯・計測での開発実績
センサノードの設置イメージ(断面図)

「市販品を組み合わせれば何とかなる」と思って探し始めたものの、電源が持たない、電波が届かない、屋外に置けない、通信費が台数分かかる——結局どれも要件を満たさない。オリジナル機器の相談は、たいていこの段階から始まります。

TIFFINは、回路設計とプリント基板のアートワーク、防水筐体の機構設計、マイコンのファームウェア、そしてデータを受けて見せるクラウド側までを、ひとつのチームで設計します。基板屋・筐体屋・ソフト屋に別々に発注すると、境目の仕様(コネクタ配置、消費電流、アンテナの逃げ、電源シーケンス)で必ずすり合わせが発生します。そこを内側で吸収できることが、いちばんの価値です。

開発中の代表例が、田んぼの水位・水温・水門の開閉を見守る農業IoT「みずばん」と、畑の獣害・盗難を見張る「はたばん」です。920MHz帯のLoRaで各圃場のセンサをつなぎ、LTE回線を1台のゲートウェイに集約することで、圃場ごとにSIMを持たせずに通信費を抑える構成にしています。

回路・基板・筐体・ファームウェアを一体で設計
回路・基板・筐体・ファームウェアを一体で設計

ISSUES

オリジナル機器でつまずくところ

「試作は動いたのに、現場に置いたら止まった」の原因はだいたい決まっています。

電池が想定の半分も持たない

試作では動いたのに、実際に設置すると数週間で電池切れ。待機電流の設計とセンサ電源の遮断ができていないのが原因。

屋外に置くと壊れる・入る

防水等級を満たしていない、ケーブル引き込みから水が入る、結露で誤動作する。筐体と基板を別々に決めるとこうなる。

電波が届かない・法規制に触れる

アンテナの位置と基板パターンで飛距離が大きく変わる。技適の取得も含めて考えないと、そもそも国内で使えない。

通信費が台数分かかる

1台ずつにSIMを入れる設計にしたため、台数が増えるほど月額が跳ね上がる。中継の構成を最初に決めておく必要がある。

量産の見積が取れない

回路図しかなく、BOMや実装データがないため基板メーカーに投げられない。試作から量産への橋が架かっていない。

データが取れても使えない

装置は動くが、数字が羅列されるだけで誰も見ない。しきい値・通知・見せ方まで設計しないと現場では使われない。

SERVICE

対応できる範囲

部分的なご依頼も、企画から量産までの一貫依頼も、どちらもお受けします。

01回路設計・アートワーク

要件から回路を設計し、プリント基板のパターン設計まで行います。KiCadのプロジェクトファイルごと納品します。

  • 多層基板(4層まで標準対応)
  • RFゾーンの分離とベタGND設計
  • 部品配置の制約(穴位置・コネクタ列)
  • 製造用ガーバー/BOM/CPL出力
02低消費電力設計

電池で年単位を狙う機器の設計。測定時だけセンサ電源を入れる、分圧回路も切る、といった積み上げで待機電流を削ります。

  • FETによるセンサ電源の遮断
  • スリープ/ウェイクの制御設計
  • 電池種別と実使用条件からの寿命試算
  • ソーラー+二次電池での常時稼働
03無線・通信

LoRa(920MHz帯)、LTE(CAT-M/NB-IoT)、Wi-Fi、BLEを用途で使い分け、中継構成まで設計します。

  • マルチホップ中継による到達距離の確保
  • ゲートウェイへのLTE集約で通信費削減
  • 技適取得済みモジュールの選定
  • アンテナ配置と同軸引き回しの設計
04筐体・機構設計

防水ボックス、支柱、取り付け金具、ケーブルグランドまで含めた実設置の設計を行います。

  • IP65相当の防水設計
  • 3Dで設置イメージを事前確認
  • 現場での取り付け・回収のしやすさ
  • 結露・直射日光・積雪への配慮
05ファームウェア開発

マイコン上のソフトウェアを開発します。センサ読み取り、送信、省電力制御、そして遠隔でのファーム更新まで。

  • センサドライバとキャリブレーション
  • 送信失敗時のリトライ・キューイング
  • OTAによる遠隔ファーム更新
  • 現地でのデバッグ手段の確保
06クラウド・見守り画面

装置から上がってきたデータを受け、判断し、人に届けるところまで作ります。ここまでやって初めて「使える装置」になります。

  • 受信API・時系列データの蓄積
  • しきい値・状態判定のロジック
  • 異常時のLINE/メール通知
  • 機器の稼働・電池残量の監視画面

ENGINEERING

開発の中身 — みずばんの設計を例に

実際に設計しているセンサノードを例に、どのレベルまで詰めているかをお見せします。

センサノード(電池駆動) MCU+LoRa 一体モジュール50×70mm 4層基板圧力センサ(水位)水温・気圧・湿度ホールセンサ×2(開閉)FETでセンサ電源を遮断IP65 100×70×40単3リチウム×2/待機電流を桁で削る設計上辺15mmはRFゾーン(ベタGND以外配線禁止) 中継・ゲートウェイ 920MHz 帯 マルチホップGW基板 80×100mmLTE(CAT-M/NB) 1回線に集約ソーラー10W+18650×2圃場ごとにSIMを持たせない=通信費を1/n クラウド・アプリ 受信API(HTTPS)→ 時系列DBしきい値・生育ステージ判定漏水・水位過多をアラートスマホ/PCの見守り画面・LINE通知ファーム更新(OTA)と機器の稼働監視まで含めて納品 LoRaLTE 回路図・アートワーク・BOM/CPL・筐体・ファームウェア・クラウドまで、同じチームが一気通貫で設計します。
センサノード(電池駆動・LoRa)→ 中継/ゲートウェイ(LTE集約)→ クラウド、という3層構成。

実装で押さえていること

  1. 基板は「置ける場所」から逆算する

    ノード基板は50×70mm・1.6mm厚・4層。四隅にM3穴を角から3.5mmの位置で取り、上辺15mmはRFゾーンとしてベタGND以外の配線を禁止しています。下辺はJSTコネクタ列(圧力/水温/水口/水尻)に揃え、防水ボックス底面のケーブルグランド側と一直線に並ぶようにしてあります。基板の外形と穴位置は、筐体とケーブルの取り回しから先に決めます。

  2. 待機電流を桁で削る

    センサ電源はFETスイッチで測定時のみON。電池電圧監視の分圧抵抗(1MΩ+1MΩ)もFETで切ります。これを積み上げて待機30μA級を狙い、単3リチウム2本での長期運用を成立させます。省電力は最後に足すものではなく、回路図の最初から入れておく項目です。

  3. RF回路は自作しない

    通信部は技適取得済みのモジュール(LoRa+MCU一体型など)を使い、基板側はU.FL→SMAバルクヘッドへ50Ω・最短で引き出すだけにします。自前でRF回路を組むと、認証と量産の両方でコストが跳ね上がります。ここは割り切る設計にしています。

  4. 設置の姿を3Dで先に確認する

    支柱の地上高、アンテナ先端の高さ(稲の穂より上か)、測定管の埋設深さ、水面との関係。これらを3Dの断面図で事前に確認してから、寸法を確定します。現地で「思ったより低い/届かない」を起こさないための工程です。

  5. 量産に渡せる状態で納品する

    回路図とアートワークだけでなく、部品表(BOM)と実装座標(CPL)、外形・穴・配置ガイド入りのKiCadプロジェクト一式をお渡しします。基板メーカーへそのまま発注できる状態にすることを、試作段階の完了条件にしています。

  6. 通信費の構造を最初に決める

    圃場ごとにLTE-SIMを入れると、台数×月額がそのまま運用費になります。センサ間はLoRaのマルチホップで中継し、外部通信はゲートウェイ1台のLTEに集約する。この構成を最初に決めておくことで、増設しても通信費が増えません。

技術スタックと構成

回路・基板設計KiCad(回路図・アートワーク・ガーバー出力)。4層基板まで標準対応。製造は国内/海外の基板メーカーを案件に応じて選定します。
無線LoRa 920MHz帯(Wio-E5 / SX1262 クラスのモジュール)、LTE CAT-M/NB-IoT(SIM7080G / SIM7600 クラス)、Wi-Fi/BLE(ESP32 シリーズ)。いずれも技適取得済みモジュールを選定します。
センサ圧力(水位)、温度(DS18B20)、温湿度・気圧(BME280)、ホール素子による開閉検知(DRV5032)、人感(PIR)、カメラ。I2C/1-Wire/アナログを用途で使い分けます。
ファームウェアC/C++(Arduino/ベンダSDK)、MicroPython。スリープ制御、送信リトライ、OTA更新、SWDによる書き込み。
エッジAINVIDIA Jetson クラスのボード上での映像解析(物体検出・追跡・顔照合)、TensorRT によるモデル最適化(FP16/INT8)。
クラウドNode.js / Python の受信API、時系列データの蓄積、LINE Messaging API・メールでの通知、Web上の監視ダッシュボード。
電源単3リチウム/18650リチウムイオン、ソーラーパネル(10W級)+充電制御、電池寿命の試算とフィールドでの実測。

回路だけ、基板だけ、ファームだけ、という部分的なご依頼もお受けします。既存基板の改版や、他社が作った装置のクラウド側だけを引き継ぐご相談も可能です。

WORKS

開発中の機器・実装事例

設計資料と、実際に動いている監視画面をご覧いただけます。

防水ボックスと基板の分解図
機構・基板設計防水ボックス/基板/電池を一体で設計した分解図

下から防水ボックスと電池ホルダー、中央に50×70mmの基板、上にIP65パッキン付きのフタ。コネクタ列をケーブルグランド側に揃え、アンテナはU.FLからSMAへ引き出します。この3Dビューを設計中の合意形成に使っています。

基板 50×70×1.6mm/4層
筐体 IP65 100×70×40mm
田んぼの水位監視ダッシュボード
農業IoT田んぼの水位・水温・水門を見守る「みずばん」

圃場ごとの水位をmm単位で表示し、生育ステージに応じた適正範囲から外れると警報を出します。「漏水の疑い:減水62mm/日」「水尻が開いたまま」といった、現場が次に何をすべきか分かる文言で通知します。

構成 LoRaノード+LTEゲートウェイ1台に集約
画面 PC・スマホ両対応の見守りダッシュボード
畑の見張り番の監視画面
防犯・獣害対策畑の獣害・盗難を見張る「はたばん」

人感センサとカメラで検知し、人物と動物を判別して記録します。夜間の警戒時間帯だけ通知する、電池残量と電波強度をカメラごとに監視する、といった運用に必要な情報を1画面にまとめました。

検知 人物/動物を分けて記録・通知
通信 LTE(CAT-M)で電源のない畑にも設置
スマートフォンでの水位確認画面
現場UI見に行かずに確認できる、スマホの現場画面

装置は作って終わりではありません。朝いちばんにスマホで全圃場の状態を確認し、異常のある場所だけ見に行く。この運用が成立するところまでを開発範囲に含めています。

通知 異常時はLINE/メールで即時通知
監視 機器のオンライン状態・電池残量も表示

導入事例の一覧を見る →

FLOW

ご相談から運用開始までの流れ

最初のご相談から納品後の改修まで、同じ担当が一貫して伴走します。

1
やりたいことのヒアリング

「何を、どこで、どのくらいの期間、いくらで測りたいか」を伺います。図面や仕様書がなくても構いません。

2
構成の検討・概算提示

センサ、通信方式、電源、設置方法の候補を出し、それぞれの費用感と実現性を比較してお見せします。

3
回路・基板・筐体の設計

回路図、基板のアートワーク、筐体、設置方法を設計します。3Dで設置イメージを共有し、寸法を確定します。

4
試作・実測

基板を起こし、実機で消費電流・通信距離・センサ精度を測定します。ここで判明した課題を設計にフィードバックします。

5
フィールド試験

実際の現場に設置し、季節や天候をまたいで動作を確認します。ここを省くと、量産後に必ず問題が出ます。

6
量産・運用

BOM/CPLを整えて量産に移行します。ファームの遠隔更新と機器監視の仕組みを含めて納品します。

PRICE

費用の考え方

内容によって大きく変わるため、まずは構成の相談からお受けしています。

技術相談・構成検討

20万円

実現方式の比較検討、部品選定、概算の費用試算、消費電力の試算まで。開発に進むかどうかの判断材料をお出しします。

試作開発

120万円

回路設計・基板製作・筐体・ファームウェアを含む試作1式。実機での測定と、量産に渡せるデータ一式の作成まで。

量産・システム込み

個別見積

小ロット量産(ODM/OEM)と、クラウド・アプリまで含めた一式。台数と保守条件によりお見積もりします。

※ 基板製造費・部品費・金型費等は別途実費となります。1台のオーダーメイドから承ります。

FAQ

よくあるご質問

ここに載っていないことも、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。

1台だけの特注でも作ってもらえますか?

作ります。むしろ「市販品にない1台」のご相談が中心です。同じ設計をそのまま小ロット量産(ODM/OEM)に展開することもできます。

電波法の認証(技適)はどうなりますか?

技適取得済みの無線モジュールを選定することで、機器としての認証取得を不要にする設計を基本としています。独自のRF回路が必要な場合は、認証にかかる期間と費用を含めて事前にご説明します。

電池はどのくらい持ちますか?

測定間隔と送信頻度、気温によって変わります。設計段階で消費電流を積み上げて試算し、試作機で実測して確認します。電池での長期運用が必要な案件では、待機電流を数十μA級まで詰める設計を行います。

回路設計だけ、ファームウェアだけ、といった部分依頼は可能ですか?

可能です。既存基板の改版、他社製装置のクラウド側の引き継ぎ、量産用データ(BOM/CPL)の整備だけ、といったご依頼もお受けしています。

設計データはもらえますか?

納品します。KiCadのプロジェクトファイル、ガーバー、BOM、CPL、ファームウェアのソースコードをお渡しします。将来ほかの会社に量産を頼む場合でも困りません。

屋外の過酷な環境でも使えますか?

そのつもりで設計します。IP65相当の防水、直射日光・結露・積雪・気温変化を想定した部品選定を行い、実際の現場でシーズンをまたいだフィールド試験を行ってから量産に進みます。

AIカメラのような映像を扱う機器も相談できますか?

対応しています。エッジ側のボード上で物体検出・追跡・顔照合を動かし、必要なイベントだけをクラウドへ送る構成の開発に携わっています。映像を全部クラウドに上げない設計は、通信費とプライバシーの両面で有利です。

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