中小企業がスマホアプリを作る費用と進め方。Web・PWA・ネイティブの選び方
こんにちは。TIFFIN開発チームです。「うちもそろそろアプリを作りたいんだけど、いくらかかるの?」——この質問、月に何度もいただきます。そして毎回、最初にお返しする質問が決まっています。「それ、本当に『アプリ』である必要がありますか?」です。意地悪で言っているのではありません。「アプリ」と呼ばれているものには実は3種類あって、どれを選ぶかで費用が数倍変わるからです。この記事では、パン屋さんの予約アプリからApp Store審査まで、私たちが実際に作ってきた経験ベースで、費用の考え方と進め方をお話しします。
「アプリ」には3種類ある
お客様が「アプリ」と言うとき、中身はだいたい次の3つのどれかです。
| 種類 | インストール | 向いている用途 | 費用感 |
|---|---|---|---|
| Webアプリ ブラウザで開く | 不要(URLやQRコード) | 予約・注文・会員向けページなど、お客様に「たまに」使ってもらうもの | いちばん安い |
| PWA Webアプリをホーム画面に置ける形にしたもの | ホーム画面に追加 | 毎日使う業務ツール、社内アプリ | Webアプリ+少し |
| ネイティブアプリ App Store/Google Playから入れる | ストアから | プッシュ通知・カメラやセンサーの高度な利用・ストアにあること自体が信用になるもの | Webの1.5〜3倍+審査対応 |
重要なのは、お客様の目に映る画面はどれもほぼ同じだということです。スマホの画面いっぱいに開いて、タップで操作して、見た目も動きも「アプリ」。違うのは配り方と、端末機能にどこまで踏み込めるかです。
費用を左右するのは画面数より「例外」と「連携」
見積もりの金額を大きく動かすのは、実は画面の数やデザインよりも次の2つです。
その1:例外パターンの多さ
「予約を受ける」だけなら簡単ですが、「定休日は受けない」「商品ごとに受け取り可能時間が違う」「締切を過ぎたらキャンセル不可」……と、現実の商売にはルールがたくさんあります。このルールの数だけ、設計とテストが増えます。逆に言えば、ルールを最初に紙に書き出せているお客様の案件は安く早く終わります。
その2:外部サービスとの連携
決済(クレジットカード)、SMS送信、LINE通知、既存の顧客台帳との接続。連携が1つ増えるごとに、契約・テスト環境・エラー時の挙動の設計が乗ってきます。「あとから決済も足したい」は普通にできますが、最初から分かっていれば設計が変わるので、予定があるなら初回に言ってしまうのがお得です。
まずWebアプリから始めるのが定石な理由
私たちが中小企業のお客様にまずおすすめするのは、ほぼ例外なくWebアプリです。理由は3つあります。
- お客様にインストールさせなくていい。店頭のQRコードを読めばもう使えます。「アプリを入れてください」は想像以上に高いハードルです
- 修正が即日反映される。ストア審査を待たずに、不具合修正も機能追加もその日のうちに全員に届きます
- iPhoneとAndroidを1つで済ませられる。2つのOSを別々に作る費用がかかりません
実例を挙げます。新潟県三条市のベーカリーベーカリーI様のパン予約システムはWebアプリです。ここで面白いのは、会員登録に「パスワードなし」を選んだことです。お客様は電話番号を入れるだけで予約できます。パン屋さんの予約にパスワードを覚えさせるのは過剰だ、という判断です。アプリの体験は、こういう「そのお店のお客様にとって自然かどうか」の積み重ねで決まります。

もうひとつ、カレー店スパイスカレー店E様の順番待ちシステムでは、待っている時間そのものを楽しんでもらうために、待ち画面にミニゲームを入れました。Webアプリでもここまでできます。

ストア公開が必要になるケースと審査の現実
それでもネイティブアプリを選ぶべき場面はあります。判断基準はシンプルで、「プッシュ通知が事業の生命線か」「ストアにあること自体が信用になるか」「カメラ・センサーを深く使うか」のどれかに強くYesなら検討です。
ただし、App Store公開には審査があります。私たちがアーチェリー用品ブランドアーチェリー用品メーカーB社様のスコア管理アプリを審査に出したときは、機能が完成した後に「アカウント削除機能を必ずアプリ内に付けること」「外部サイトへ誘導するリンクの扱い」といった審査要件への対応が発生しました。ここは開発とは別の種類の仕事で、審査対応だけで数週間かかることも珍しくありません。ネイティブアプリの見積もりを比べるときは、この審査対応が含まれているかを必ず確認してください。
中間の答えもあります。まずWebアプリとして作って運用を固め、必要になった時点で同じ中身をネイティブアプリの「ガワ」に載せてストアに出す——という二段構えです。最初からネイティブで作り直すより大幅に安く済みます。
最初の打ち合わせで決めるべき5つのこと
開発会社との初回打ち合わせで、これだけ持ってきていただけると話が一気に具体化します。
- 使う人は誰か——お客様向けか、従業員向けか。年齢層は。スマホの操作にどれくらい慣れているか
- いちばん解決したい1つの不便——「電話が鳴りやまない」「転記ミスが多い」など、動詞で
- 絶対に譲れない場面——「店頭でお客様を待たせられるのは30秒まで」のような現場の制約
- 今使っているもの——既存のExcel、予約台帳、レジ、LINE公式アカウントなど
- 予算の上限と、いつまでに動いていてほしいか
逆に、画面デザインの細部は初回に決めなくて大丈夫です。私たちの進め方は、早い段階で動くものをお見せして、実物を触りながら直していく方式です。紙の企画書を何往復もするより、そのほうが確実に良いものになります。
作った後にかかるお金の話
最後に、見積書に載らないことがあるお金の話をします。アプリは作って終わりではなく、動かし続けるための費用がかかります。
- サーバー費——小規模なWebアプリなら月数千円〜のクラウドで十分なことが多いです
- ドメイン・SSL証明書——年間数千円程度
- ストア関連——ネイティブアプリならApple/Googleの開発者登録費、OSアップデート追従の改修費
- 保守——不具合対応や小さな改善をどう頼めるか。都度見積もりか、月額か
私たちは納品して終わりではなく、本番のサーバー構築から納品後の運用・改善までを一緒にやる前提でお見積もりを出しています。「アプリを作りたい」の段階でも、「これはWebで十分か、ネイティブが要るか」の判断からで構いません。お気軽にどうぞ。
「Webで十分か、ネイティブが必要か」の切り分けからお手伝いします。概算費用のご相談だけでも歓迎です。
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